2025年4月から11月にかけて銀座のGUCCI GINZA GALLERYで ‘横尾忠則 未完の自画像-私への旅’ 展が開催されています。会期も終盤になりましたが、新たな展示も加わった会場を訪問することができました。
本展は1970年の大阪万博・せんい館を横尾氏が建築デザインした際の ‘未完の足場’ を再現し、2025年に制作された最新作を中心に過去作とともに紹介するユニークな試みです。


建物の最上階と一部屋上を用いた会場では、真っ赤に塗装された足場と油彩画が一体となり立体的な構成で展示されていました。足場を組んでいる作業者(レプリカ)も展示に加わっています。





今年89歳になる横尾氏は1980年代にグラフィックデザイナーから画家に転身しました。当時学生だった私は、横尾氏の新作展を、西武美術館、ラフォーレミュージアム・・・・等々これまで追い続け、あまたの美術館を訪れてきました。
画集、図録、書籍、ポストカードなど横尾忠則関連ものはあふれるほど。著作は殆ど拝読しており、横尾フリークともいえます。








本展示会場で紹介された最新作はこれまでの油彩画とは大きく雰囲気が異なり、ほんわりとゆったり包み込むような感触を持ちながら、どっしりしており いきいきとした存在感を放っています。何ともいえない魅力に満ちており、かつてのデザイン画や版画、初期からの油彩画や昨今の自在な油彩画。いずれの時代の横尾作品も唯々引き込まれるばかりです。







建築は完成されたものではなく過程がすべて。赤い足場はそれを象徴しています。絵画もその過程が大切で、完成されたものはさほど重要ではないのだと。目的(コンセプト)を持たず、思考せず身体に委ね赴くまま描くのが本来の芸術(アート)。きっとそんなことを作者は伝えたいのだろうと思いながら、朗らかな気分で会場を後にしました。


