美術展巡り40 ルイジ・ギッリ展  ~東京都写真美術館~

7月から恵比寿の東京都写真美術館で ‘ルイジ・ギッリ 終わらない風景展‘ が開催されています。

ルイジ・ギッリはイタリア生まれの写真家で、本展はアジア初となる美術館での個展です。測量技師だったギッリはコンセプチュアル・アーティストらとの出会いをきっかけに写真を始めたそうです。今回は1970年代から約20年にわたり制作してきた写真作品130点が紹介されました。

ルイジ・ギッリ展,2025 東京都写真美術館

被写体は ‘風景、建物、部屋、人物、静物、画家のアトリエ’ など。当展を鑑賞した印象は、いずれの作品も ‘写真’ というより人が描いた ‘絵画’ あるいは洗練された ‘デザイン画’ のように映りました。

小さいながらも、一つ一つの作品からは静かな存在感が感じられ、イタリア的な明るく乾燥した風合いの色彩や、光と陰影によって切り取られた ‘時間(空間)’ が心地よく伝わってくるようでした。

写真はカメラのレンズを通して実体を写すものですが、一作家を通じることで平面絵画と比べても引けを取らない個性を発し、見る人の心に浸透し ‘何か’ を感じさせるのはいつもながら不思議です。気がつけば写真美術館を訪れているのは、無意識にそれを求めているからかもしれません。

ルイジ・ギッリ展,2025 東京都写真美術館
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