ジャクソン・ポロックと双璧をなすアクションペインティングの代表作家 ウィレム・デ・クーニング
1904年オランダ生まれ、美術の中心がアメリカ ニューヨークへと移った地で、抽象表現主義の創生期を築き、ポロックと同じく現代美術史に多大な痕跡を残した作家です。

デ・クーニングのアクションペインティングは、ポロックの ‘ドリッピング’ 手法とは異なり、絵筆を用いた激しい筆触が大きな特徴で、時に輪郭線を用い また重厚なタッチによって絵の具をキャンパスへ定着させます。
1930年代後半から1940年代半ばには、ピカソの影響を受けたと思われる具象と抽象の狭間的な作品を描いています。その後、1940年代後半にはモノクロによる抽象画 ‘白と黒’シリーズへと画風を変遷させていきます。


1950年代の初めに世に出した ‘Woman’シリーズは代表作の一つであり、彼を 一躍アメリカを代表する現代美術作家へと押し上げました。私もデ・クーニングの作品の中で、本シリーズが最も好きです。






一見、女性を大胆にデフォルメして描いた具象絵画のように見えますが、アクションペインティングと呼ばれるように激しくダイナミック 重厚なその筆触は、他のいかなる画家の追随も許さないほど独創的であり情熱的です。まさに、抽象表現主義の名に相応しいものと思います。
晩年に近い1980年代には、シンプルな純粋抽象のような作品も描いています。

デ・クーニングは、具象や抽象といったジャンルや手法を越え、自ら表現したいという思いを多大なエネルギーに変え筆跡に残すという 芸術における根幹を示しているように思います。
