美術展巡り49 ペドロ・コスタ展  ~東京都写真美術館~

9月から12月にかけて恵比寿の東京都写真美術館で ‘ペドロ・コスタ インナーヴィジョンズ展‘ が開催されています。

ペドロ・コスタは1959年ポルトガル生まれの映画監督で、多くの作品がヴェネチア、カンヌ、ロカルノなど数々の国際映画祭で紹介されています。残念ながら彼の映画は未経験で、どんな作家か知らないまま本展覧会場を訪れました。

ペドロ・コスタ展,2025 東京都写真美術館

本展覧会は、ポルトガルで暮らすアフリカ系移民の歴史を描いた映画 ‘ホース・マネー(2014)’ や ‘溶岩の家(1997)’ など、コスタ作品に登場する人物がヴィデオ・プロジェクションに映し出される美術展として公開されました。

今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)
今こそ名高き人々を讃えよう,2025(ヴィデオ)

会場内は殆ど先が見えないほどの暗闇。迷路のような狭い通路を、小さな映像作品 ‘今こそ名高き人々を讃えよう(2025)’ がかすかに灯す光を頼りに少しずつ進んでいくと、黒人の顔が大きく浮かび上がった映像が目の前に現れました。

作品は、和紙にインクジェットでプリントされた ‘溶岩の人々(2015)’。わずかな顔の輪郭が浮かんでは消えていき、何かを語りかけられているような感覚を受けました。

溶岩の人々,2015(和紙にインクジェットプリント)
溶岩の人々,2015(和紙にインクジェットプリント) (2)
溶岩の人々,2015(和紙にインクジェットプリント) (3)

さらに進むと、‘火の娘たち(2022)’ と題された、それぞれ異なる女性が大きなヴィデオ・プロジェクションに映し出された作品へと続きます。作品 ‘アルト・クテロ’ に現れた黒人男性と火山が重ねられた映像からは、アフリカ系民族の歴史が暗示されているようでした。

火の娘たち,2019(ヴィデオ・プロジェクション)
火の娘たち,2019(ヴィデオ・プロジェクション)
火の娘たち,2019(ヴィデオ・プロジェクション)
火の娘たち,2022(ヴィデオ・プロジェクション)
火の娘たち,2022(ヴィデオ・プロジェクション)
アルト・クテロ,2012(ヴィデオ・プロジェクション)
アルト・クテロ,2012(ヴィデオ・プロジェクション)

展覧会を後にした感想は、映画作品や歴史的な背景など意味合いは分からないものの、人間が持つ威厳や品格など、静寂さの中に潜む荘厳さを感じました。決して重々しくも難解でもなく、心地よい余韻が残る美しい展覧会でした。

少年という男,少女という女,2005(ヴィデオ・プロジェクション)
ジェイコブシリーズ 向こう半分の人々の暮らし他,1880-1889(シルバープリント)
ジェイコブシリーズ 向こう半分の人々の暮らし他,1880-1889(シルバープリント)
ジェイコブシリーズ 向こう半分の人々の暮らし他,1880-1889(シルバープリント)
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