美術展巡り48 横尾忠則展  ~GUCCI GINZA GALLERY~

2025年4月から11月にかけて銀座のGUCCI GINZA GALLERYで ‘横尾忠則 未完の自画像-私への旅’ 展が開催されています。会期も終盤になりましたが、新たな展示も加わった会場を訪問することができました。

本展は1970年の大阪万博・せんい館を横尾氏が建築デザインした際の ‘未完の足場’ を再現し、2025年に制作された最新作を中心に過去作とともに紹介するユニークな試みです。

横尾忠則展,2025 GUCCI GINZA GALLERY
会場風景

建物の最上階と一部屋上を用いた会場では、真っ赤に塗装された足場と油彩画が一体となり立体的な構成で展示されていました。足場を組んでいる作業者(レプリカ)も展示に加わっています。

チャクラⅡ,1974
死の鳥 ベックリンに基づく,2012(右),チャクラⅣ,1974(左)
チャクラⅤ,1974(左),星を翔ける男,1996(右)
壁に耳あり(上)
原始宇宙,2000+未完の足場,2025(屋上)

今年89歳になる横尾氏は1980年代にグラフィックデザイナーから画家に転身しました。当時学生だった私は、横尾氏の新作展を、西武美術館、ラフォーレミュージアム・・・・等々これまで追い続け、あまたの美術館を訪れてきました。

画集、図録、書籍、ポストカードなど横尾忠則関連ものはあふれるほど。著作は殆ど拝読しており、横尾フリークともいえます。

自画像の塔,2001(右)
宮崎の夜-台風前夜,2004(左),TとRの交差,2002(右)
すべてに轉聲を聞け,1994(右),鬼怒川一日世界一周の度,2006(左)
下田幻想,2007(右),TOWADA ROMAN,2017(左)
TOWADA ROMAN,2017(右),圧縮された風景,2012(左)
夜の足音,2011-12(左),バルビゾンへ,2012,I HAVE NO TIME TO LEFT,1994-2013,圧縮された風景,2012
拒絶された愛,2017(上),鎮魂歌,2012(下)
女性と紳士靴,2017(上),Y字路を描く,2012(下)

本展示会場で紹介された最新作はこれまでの油彩画とは大きく雰囲気が異なり、ほんわりとゆったり包み込むような感触を持ちながら、どっしりしており いきいきとした存在感を放っています。何ともいえない魅力に満ちており、かつてのデザイン画や版画、初期からの油彩画や昨今の自在な油彩画。いずれの時代の横尾作品も唯々引き込まれるばかりです。

椅子だらけの自画像,2025
結婚式の想い出,2025(左),寄り路,2025(右)
休息,2025(左),家族総出演(右)
家族狂,2025
さあ出発,2025(左),赤坂御苑,2025(右)
出発,2025(左),未完のMORAL,2025(中),此岸 彼岸,2025(右)
赤坂御苑,2025(左),犬山へ行こう,2025(右)

建築は完成されたものではなく過程がすべて。赤い足場はそれを象徴しています。絵画もその過程が大切で、完成されたものはさほど重要ではないのだと。目的(コンセプト)を持たず、思考せず身体に委ね赴くまま描くのが本来の芸術(アート)。きっとそんなことを作者は伝えたいのだろうと思いながら、朗らかな気分で会場を後にしました。

会場風景
会場風景
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