作家紹介32 ジョナサン・ボロフスキー ~ジャイアント・マン~

巨人像のオブジェが象徴的な1942年アメリカ・ボストン生まれの現代美術家 ジョナサン・ボロフスキー

彼の初期作品は、数字を1から順に書き続ける ‘1から無限へのカウンティング’ と題されるコンセプチュアル・アートから始まったものの、1970年代以降は作風を一変。

広大な空間を自在に使い、夢の中や子供の頃の記憶などポップアート的な絵画を描いたり、ハンマーを持った巨人のオブジェを生み出すなど変貌していきます。

芸術は精神のために 2,151,726, 1973 作家蔵
アトリエのウォール・ドローイング, 1975 ニューヨーク
オルディ・ステムフェルド 2,738,441, 1982 ガシュナー夫妻蔵
ランニングマン(走る人) 2,550,116, 1978-79サチ・コレクション蔵
切り離された頭部の絵#2, 1984 ポーラ・クーパー・ギャラリー蔵
歌 2,841,777, 1978-83 フィラデルフィア美術館蔵
手の影のある絵 2,841,780, 1981-83 サチ・コレクション蔵
メイドンフォームの女,彼女がどこに現れるか分からない 2,841,779, 1983 ブロイダ・トラスト蔵

これら明るく自由な作風は1980年代に一世を風靡するニュー・ペインティングの先駆けともいえるようで、時代の先端を駆け抜けた作家だと感じます。

フレンドリー・ジャイアント(優しい巨人)分子人間 2,908,463, 1984 ポーラ・クーパー・ギャラリー蔵
モレキュールマン(分子人間) 2,845,318, 1982-83 ブロイダ・トラスト蔵
プロジェクティングマン(投写機人間), 1984 ポーラ・クーパー・ギャラリー蔵
ブリーフケースを持つ人 2,783,421, 1980-82 ジェミナイG.E.L.蔵

1990年代以降、現在に至るまで 世界の各都市に、‘ハンマリング・マン(槌打つ人)’ ‘ウオーキング・マン(歩く人)’ ‘ランニング・マン(走る人)’ ‘モレキュール・マン(分子人間)’ ‘メイル/フィメイル(男性/女性)’など巨人たちの立像が姿を現しています。

ハンマリングマン(槌打つ人), 2010 ノルウェー リレストレム
ウォーキングマン, 1995 ドイツ ミュンヘン
ウォーキングマン, 2005 ドイツ フェルデン
モレキュールマン(分子人間), アイオワ州 ミッドアメリカセンター
メイル, フィメイル, 2004 ボルチモア ペンシルベニア駅
ウォーキングトゥザスカイ(空へ歩く), 2006 ピッツバーグ カーネギーメロン大学

日本国内でも、東京オペラシティ広場に巨人 ‘シンギング・マン(考える人1998)’ がそびえ立ち、来場者を迎えてくれています。

ジョナサン・ボロフスキー〈シンギングマン〉,1998 東京オペラシティ

今回は、1987年に東京都美術館で開催された国内初の大規模展覧会の作品と、その後各地に出現したジャイアント・マンたちを紹介します。

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