フランス南西部、ヴェゼール渓谷にある洞窟に描かれた動物たちの肖像 ラスコー壁画
2万年ほど前の旧石器時代に、クロマニョン人によって描かれた絵画で、発見されたのは1940年。穴に落ちた飼い犬を少年達が救おうとした際に偶然発見されたそうです。
洞窟に描かれた動物は野生の牛、馬、鹿など600頭あまり。なかには人間と思われる壁画もあります。赤土や木炭を樹液や獣脂で溶かして混ぜ合わせ 黒、赤、黄色などの顔料を作って描かれたと考えられています。





洞窟に描かれた動物たちは、2万年が経過しているにもかかわらず、まるで生きているかのような躍動感があり、洞窟の壁面から飛び出てきそうな感じすらします。シンプルかつ力強い線描。加えて単色ながら大胆な色使い。






現在に至っても、描かれた動物たちには魂が宿っているかのように感じられます。最古の人類と呼ばれる人々が、身近な存在であり人間とは切り離せない関係にあった動物たちに対して、畏敬や畏怖の念を抱いていたのだと思います。
現代人が、どれほど高度な絵画手法を駆使しても、2万年前の人類が全霊を込めて描いた絵画には及ぶことができないような気がします。
‘描く(表現する)’ という行為は、本来 ‘その時(瞬間)を生きること’ と同義なのだと思います。






蛇足ですが、2016年に上野の国立科学博物館で開催された ‘世界遺産 ラスコー展’ は、ジオラマによる忠実な洞窟壁画の再現や当時のクロマニョン人の復元など。狩猟に使ったと思われる道具の数々も紹介され、遠い過去に想像を巡らすような魅力的な展覧会でした。
