6月中旬、東京 京橋の画廊 ‘ギャルリー東京ユマニテ’ で ‘加納光於展’ が開催されました。1970年代以降、精力的に活躍されてきた同氏の画廊での個展。短い会期ではありましたが、何とか間に合うよう訪問しました。
加納光於は1933年生まれの銅版画家で抽象画家です。版画は独学で学び、美術評論家で詩人の瀧口修造に見いだされ世に出たとのことです。
彼の版画(銅版画、リトグラフ)や油絵など代表作の多くは、発色の良い鮮やかな色彩を基調に、デカルコマニーという偶発性の要素を取り入れた独自の技法を用いています。緻密に計算されたデザイン性と偶然による意外性。同一画面に異なる要素が混在する点が、鑑賞者の想像力をかき立て 惹きつけている所以と感じます。
1980~1990年代にかけて、彼と同時代に活躍した抽象画家の堂本尚郎、中西夏之、宇佐美圭司らとともに、多くの美術館や画廊で目にした記憶があります。




加納光於作品の印象は、深く豊かな色彩や流動感のある画面が際立つ一方で、極めて独自性が高く思想的。文学的でもあり孤高の作品と感じるところです。 今回紹介された展示は1980年代に制作された油絵の大作と1970年代の‘稲妻捕り’シリーズのドローイングです。久しぶりに静かな画廊空間で加納作品を体感することができました。



