1934年満州生まれ、長野県育ちの版画家で画家、陶芸家で小説家の池田満寿夫
彼が1997年に63歳で急逝してから28年が経ちますが、忘れずに振り返っておきたい現代美術家です。
池田満寿夫は画家を目指して上京しましたが 東京芸大に3度落ち、その後 独自の銅版画作品で世に出ました。小さな銅版にドライポイントの手法で描かれた深く鋭い線描が印象的です。また日本で初めて銅版画に色彩を用いました。







これら1960年代に制作された 型にはまらず自由で直感的なドライポイント作品は、私が好きなシリーズです。
彼の版画は多彩で、コラージュの手法を用いた多くのリトグラフ作品はデザイン的でもあります。その他、素描や陶芸作品も多数残しています。











小説も芥川賞作品 ‘エーゲ海に捧ぐ’ で一躍脚光を浴び 映画監督を務めるなど、その多才ぶりを発揮しました。
生涯、何ものにもとらわれない自由さと発想の豊かさで 多くの人を魅了しました。東京都美術館、山梨県立文学館でお邪魔した講演会では、その屈託のない人柄に惹きつけられました。



これから本格的に油絵に取り組もうとしていた矢先に亡くなってしまいましたが、存命であったらどんな絵を描いただろうと今でも想像します。絶筆となったリトグラフ作品は 何故か作家自身の顔をしたバレリーナが踊っている場面ですが、とても魅力的な作品です。
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マルチな才能故か、(画壇と呼ばれる)美術界から正当な評価を必ずしも受けて来なかったように感じますが、美術が好きな(今風ではアート好きな)多くの人たちから愛された作家だと思います。
今回は1960年代前半に制作されたドライポイント作品を中心に紹介します。
