六本木ヒルズ森タワーの東京シティビューで ‘手塚治虫 火の鳥展’ が開催されています。
‘火の鳥’ は漫画家 手塚治虫(1928-1989)が生涯ライフワークとして描いてきたシリーズ作品で、‘黎明編’から‘太陽編’まで主要12編で構成されています。

‘鉄腕アトム‘ ‘ジャングル大帝’ ‘リボンの騎士’ ‘どろろ’ ‘不思議なメルモ’ ・・・など、白黒テレビ時代からアニメ作品に親しんできました。中でも ‘火の鳥’ は、人間のエゴや果てしなき欲望をむき出しにした作品で、‘生と死’ ‘輪廻転生’などのテーマを軸に 人間という種の本質を凝縮しています。










本展では、漫画 ‘火の鳥’ の生原稿が展示されました。驚いたのはその画力と緊迫力。ペンによる黒一色の線描や背景など、生き生きとした力強い筆触を肌で感じました。手塚作品には子供や若者、動物などの主人公が多く描かれますが、いずれも本物の心を持っているかのように感じるのは、絵に作者の魂が込められているからだと思いました。



手塚氏が幼少期に描いた蝶など昆虫の精密画も展示されましたが、驚くほどの描写力でした。彼は大阪大学医学部出身の医学博士でもあります。漫画家と異なる道、博物学や民俗学、医学や自然科学などいずれの分野にすすんでも、独創的で斬新な発見や発明をしていただろうと思いました。

