美術展巡り33 手塚治虫 火の鳥展  ~東京シティビュー~

六本木ヒルズ森タワーの東京シティビューで ‘手塚治虫 火の鳥展’ が開催されています。

‘火の鳥’ は漫画家 手塚治虫(1928-1989)が生涯ライフワークとして描いてきたシリーズ作品で、‘黎明編’から‘太陽編’まで主要12編で構成されています。

火の鳥展,2025 東京シティビュー

‘鉄腕アトム‘ ‘ジャングル大帝’ ‘リボンの騎士’ ‘どろろ’ ‘不思議なメルモ’ ・・・など、白黒テレビ時代からアニメ作品に親しんできました。中でも ‘火の鳥’ は、人間のエゴや果てしなき欲望をむき出しにした作品で、‘生と死’ ‘輪廻転生’などのテーマを軸に 人間という種の本質を凝縮しています。

手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー

本展では、漫画 ‘火の鳥’ の生原稿が展示されました。驚いたのはその画力と緊迫力。ペンによる黒一色の線描や背景など、生き生きとした力強い筆触を肌で感じました。手塚作品には子供や若者、動物などの主人公が多く描かれますが、いずれも本物の心を持っているかのように感じるのは、絵に作者の魂が込められているからだと思いました。

手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫〈火の鳥展〉,2025 東京シティビュー
手塚治虫からのメッセージ〈火の鳥-生と死「COM」1967年2月号より抜粋〉,2025 東京シティビュー

手塚氏が幼少期に描いた蝶など昆虫の精密画も展示されましたが、驚くほどの描写力でした。彼は大阪大学医学部出身の医学博士でもあります。漫画家と異なる道、博物学や民俗学、医学や自然科学などいずれの分野にすすんでも、独創的で斬新な発見や発明をしていただろうと思いました。

火の鳥展 「栞」
東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー)から臨む麻布台ヒルズ森タワーと東京タワー
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