2024年12月、東京国立近代美術館で ‘フェミニズムと映像表現’ を鑑賞後、季節毎に収蔵品を入れ替え展示している ‘MOMATコレクション展’ に立ち寄りました。現代美術の小品が幾点かありましたので紹介させていただきます。
国内では、草間彌生の ‘集積の大地(1950)’や、岡本太郎の ‘夜明け(1948)’など珍しい初期作品が展示されました。また、1950年代当時は稀有な存在であった女性の前衛美術作家、芥川(間所)紗織の作品が数点紹介されました。
草間彌生〈集積の大地〉,1950 東京国立近代美術館蔵
岡本太郎〈夜明け〉,1948 東京国立近代美術館蔵
芥川(間所)紗織〈神話より〉,1956 東京国立近代美術館蔵
芥川(間所)紗織〈女(B)〉,1955 東京国立近代美術館蔵
芥川(間所)紗織〈黒と茶〉,1962 東京国立近代美術館蔵
その他、1960~70年代に活躍した河原温の初期の具象作品 ‘孕んだ女(1954)’やコンセプチュアルアート転向後の代表作である日付絵画 ‘JULY 15,1970,Todayシリーズ(1970)’。同じくアメリカを制作拠点とした荒川修作の ‘彫刻するNo.1’ など。
河原温〈孕んだ女〉,1954 東京国立近代美術館蔵
河原温〈JULY 15,1970,Todayシリーズ 〉,1970 東京国立近代美術館蔵
荒川修作〈彫刻する No.1〉,1961-62 東京国立近代美術館蔵
両氏の作品は、学生時代に都内の美術館でよく目にしましたが、コンセプチュアルアートは思考力など頭での理解を求められるため、直感で鑑賞するタイプの私には難解であったような気がします。
近年の国内作品ではイケムラレイコのドローイング小品が数点展示されました。
イケムラレイコ〈樹の愛〉,2007 東京国立近代美術館蔵
イケムラレイコ〈樹の愛〉,2007 東京国立近代美術館蔵
イケムラレイコ〈樹の愛〉,2007 東京国立近代美術館蔵
海外作品では、アンリ・ミショーの墨作品やハンス・ベルメールの人形写真などが印象的でした。
アンリ・ミショ-〈墨〉,1963 東京国立近代美術館蔵
アンリ・ミショ-〈墨〉,1965 東京国立近代美術館蔵
アンリ・ミショ-〈無題〉,1967 東京国立近代美術館蔵
ハンス・ベルメール〈人形〉,1935-75(1983) 東京国立近代美術館蔵
ハンス・ベルメール〈人形〉,1935-75(1984) 東京国立近代美術館蔵
昨今の現代アートは刺激に満ちたものが多いですが、1900年代 特に戦後1950~60年代に隆盛を誇った前衛美術を振り返るのも楽しみの一つです。
サム・フランシス〈無題の両翼画〉,1978 国立近代美術館蔵
カール・ブーフハイスター〈コンポジション Sta〉,1957 東京国立近代美術館蔵
カール・ブーフハイスター〈コンポジション Anvi〉,1959 東京国立近代美術館蔵
カール・ブーフハイスター〈コンポジション Megi〉,1961 東京国立近代美術館蔵
ジャン・アルプ〈偶然の法則に従って置かれ〉 東京国立近代美術館蔵
ジョアン・ミロ〈絵画詩〉,1925 東京国立近代美術館蔵
マックス・エルンスト〈砂漠の花〉,1925 東京国立近代美術館蔵
ジョセフ・アルバース〈正方形賛歌,持たれた〉,1959 東京国立近代美術館蔵
ハンス・リヒター〈色のオーケストレーション〉,1923 東京国立近代美術館蔵
リチャード・セラ〈オルソン〉,1986 東京国立近代美術館蔵
吉澤美香〈無題〉,1987 東京国立近代美術館蔵