生きた人体をそのまま彫刻にした1924年アメリカ生まれの彫刻家 ジョージ・シーガル
彼は画家でもありますが、彫刻作品が斬新であることから 殆どこちらが代名詞になっています。彫刻といっても彼の作品は、人体から直接石膏で型をとって制作しています。生きた人間の動きを忠実に再現するため、石膏を含んだ包帯を幾重にも身体に巻き付けて型を取ります。

彫刻といえば、ロダンやブールデル、近代においてもヘンリー・ムアやジャン・アルプなど 大半はブロンズ作品を思い浮かべますが、服を着た人間が日常生活している様を そのまま彫刻にした作品を初めて見たときは、まさに現代美術だとの感想を抱いたものです。









1980年代後半頃に、ジャスパー・ジョーンズを代表とするアメリカ現代美術作家とともに、セゾン美術館(旧西武美術館)やセゾン現代美術館(旧軽井沢高輪美術館)など、今はなき会場で目にした記憶があります。






昨今は、彫刻作品といえばCGも含め 多様な素材や表現手法を用いて制作されるようになり(もとより人体がモチーフとは限らない)、ジョージ・シーガル作品は 今なおモダンでありながら、現代美術の古典となっているように感じます。