作家紹介20 ジョージ・シーガル ~生きた人間彫刻~

生きた人体をそのまま彫刻にした1924年アメリカ生まれの彫刻家 ジョージ・シーガル

彼は画家でもありますが、彫刻作品が斬新であることから 殆どこちらが代名詞になっています。彫刻といっても彼の作品は、人体から直接石膏で型をとって制作しています。生きた人間の動きを忠実に再現するため、石膏を含んだ包帯を幾重にも身体に巻き付けて型を取ります。

ジョージ・シーガル

彫刻といえば、ロダンやブールデル、近代においてもヘンリー・ムアやジャン・アルプなど 大半はブロンズ作品を思い浮かべますが、服を着た人間が日常生活している様を そのまま彫刻にした作品を初めて見たときは、まさに現代美術だとの感想を抱いたものです。

The Dinner Table,1962
Woman Washing her Feet in a Sink,1964-65
Girl Sitting Against a Wall Ⅱ,1970
The Dancers,1971
Woman Listening to MusicⅡ,1972
Walk,Don’t Walk,1976
Couple in Open Doorway,1977
Tree Figures and Four Benches,1979
Gay Liberation,1980

1980年代後半頃に、ジャスパー・ジョーンズを代表とするアメリカ現代美術作家とともに、セゾン美術館(旧西武美術館)やセゾン現代美術館(旧軽井沢高輪美術館)など、今はなき会場で目にした記憶があります。

Rush Hours,1983
Chance Meeting,1989
Depression Bread Line,1991
Guiness Gold,1995
Blue Woman Sitting on a Bed,1996
George Segal – Nocturnal Fragments, TEMPLON New York, 2023

昨今は、彫刻作品といえばCGも含め 多様な素材や表現手法を用いて制作されるようになり(もとより人体がモチーフとは限らない)、ジョージ・シーガル作品は 今なおモダンでありながら、現代美術の古典となっているように感じます。

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