日本でも豊島など数々のインスタレーション作品で知られる1944年フランス・パリ生まれの空間芸術作家 クリスチャン・ボルタンスキー
残念ながら2021年に76歳で亡くなりましたが、1990代以降 ‘水戸芸術館(1990-91)’ ‘大地の芸術祭 越後妻有アートトエンナーレ(2003 新潟)’ ‘瀬戸内国際芸術祭(2010 香川・豊島)’ ‘東京都庭園美術館(2016)’ ‘東京国立新美術館(2019)’ など、各地で作品が紹介されており日本にゆかりの深い作家です。





ボルタンスキー芸術のテーマは 「生と死」「人々の記憶」など。 特に2014年から開始した ‘Animitas(アニミタス)’ シリーズは、砂漠や原野、森や海など自然の中に設置した無数の棒や風鈴が、空間に漂う霊魂を表現しているかのようです。



私が特に印象深かったのは、2016年に東京都庭園美術館で開催された ‘アニミタス さざめく亡霊たち’ と題する展覧会です。アール・デコ様式の歴史ある建造物の各部屋にインスタレーションや映像(音楽)作品を配した構成は、生霊や亡霊など ‘霊魂’ が空間をさまよう様を彷彿させるものでした。





彼の作品と接することは、静寂な空間に身を委ね 霊たちのかすかな気配を感じながら、人々の希望に向けての想いを巡らすことだと思いました。