この秋、初台の東京オペラシティアートギャラリーで ‘松谷武判(TAKESADA MATSUTANI)展’ が開催されています。
松谷武判氏は1937年大阪府生まれ。具体美術協会を代表する抽象作家として1960年代から活躍した後、渡仏しパリを拠点に制作を続けています。
彼の作品には幾何学的で色彩豊かなものもありますが、主に黒色の絵具とビニル系接着剤のボンドを用いて立体的な画面を表現した作品や、黒色の鉛筆を塗り重ねて描いた平面作品などが多くを占めます。
松谷氏の作品を体験するのは今回初めてでしたが、鑑賞前に想像していたものと比べて、作品の佇いまはとても静的で落ち着いた印象でした。画面に膨らみがあり立体感のある大作が大半でしたが、余分なものをそぎ落とした無駄のない抽象作品は 静寂な空気感に包まれているようでした。
戦後、1950~1960年代の抽象絵画全盛の時代に活躍した まだ私の知らない作家が沢山いるのではと思いました。