美術展巡り15 ピナ・バウシュ〈春の祭典〉  ~東京国際フォーラム~

ダンスシアターの代表作 ‘春の祭典’ や、映画 ‘トーク・トゥ・ハー’ 劇中でのコンテンポラリーダンス、ドキュメンタリー映画 ‘Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち’ など、2009年没後の今なお 世界を魅了し続ける1940年ドイツ生まれの振付家で舞踊家の ピナ・バウシュ

東京国際フォーラム・ホール

この9月11~15日に東京国際フォーラムで5日間限定の日本公演が行われました。演目は作曲家ストラヴィンスキーの ‘春の祭典’。豊穣を願うために選ばれた生け贄の乙女が踊り続ける ‘犠牲(死)の儀式’ がテーマの原曲。ピナ・バウシュ振り付け版の ‘春の祭典’ は1975年が世界初演。国内では18年ぶりとなります。

今公演のダンサーはすべてアフリカ出身。アフリカ13カ国から選ばれた35名の若者たち(舞台では男性14名、女性14名)。アフリカ伝統舞踊、コンテンポラリーダンス、ヒップホップなど 元々バレエ経験がなかったダンサーが多数参加されたとのことです。

ピナ・バウシュ〈春の祭典〉,2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation
ピナ・バウシュ〈春の祭典〉,2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation
ピナ・バウシュ〈春の祭典〉,2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation
ピナ・バウシュ〈春の祭典〉,2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation
ピナ・バウシュ〈春の祭典〉,2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation

大量の土が敷き詰められた舞台での35分間はまさに圧巻。1秒も目を離せないほどの迫力と緊張感。舞台上を砂のしぶきを舞い上げながら、28名のダンサーが魂を突き動かされるように踊る姿は 言葉で言い表せないほどでした。個々のダンサー自身が発する‘人間’としての躍動感に加え、全体の構成(振り付け)の素晴らしさ。バレエ音楽を原曲にしているものの、全く異なるジャンルのように思え、技術もさることながら 全身全霊で表現する姿に強く心を打たれました。

バウシュ版の初演から半世紀が経ちますが、2024年の今もコンテンポラリーそのままだと感じました。

ピナ・バウシュ〈PHILIPS 836 887 DSY〉出演 エヴァ・パジェ, 2024 東京国際フォーラム Photo By Maarten-Vanden-Abeele @Pina Bausch Foundation
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