甲府盆地が連日猛暑の8月初旬。秩父山地の南西部に位置する標高1,700mの草原 ‘乙女高原’ を訪れました。ここには渡りをする蝶 アサギマダラをはじめとする蝶やトンボ、その他 小さな訪花昆虫など、多くの生物が生息しています。


当日、現地に着いたのは午前9時前。高標高地といえども さほど涼しさを感じないほどでした(この日の甲府の最高気温は37.1℃)。
アサギマダラは前回紹介したオオムラサキと同じタテハチョウ科(マダラチョウ亜科)の蝶で、大きさも同じくらいです。飛び方はオオムラサキのパタパタとは対照的に、ふわふわと飛翔します。そういえば、国蝶の選考時には候補に挙がりオオムラサキと競ったそうです。




幼虫時代は旧ガガイモ科植物の葉を食べ、成虫になってからはフジバカマやヒヨドリバナなどの花を吸蜜します。有毒なアルカロイドを含むこれらの植物から葉や蜜を食することで、毒素成分を体内に蓄積し鳥など天敵から身を守っています。そのため、ゆったりと飛んでいるのかもしれません。
これほど優雅に見える蝶が、秋になると南西諸島や台湾方面まで 数百kmから数千kmもの距離を渡るとは信じられません。渡りの詳しい理由は現在もまだ分かっていないそうです。



今回は、アサギマダラの他、クジャクチョウ、キベリタテハ、ヒョウモンチョウ、ジャノメチョウ、キタキチョウ、セセリチョウなど草原で見つけた蝶を挙げさせていただきます。









この日は、木々の間からウグイスとホオジロの鳴き声が終始していました。さえずりしているホオジロの姿を1枚だけ。
