漫画をアートにしたポップアートの代表作家 ロイ・リキテンスタイン
1923年アメリカ・ニューヨーク生まれで、同じく1960年代に活躍したアンディ・ウォーホルやトム・ウィッセルマンらと並ぶポップアーティストです。

リキテンスタインは1960年代初めに、恋愛ものや戦争ものの大衆漫画(コミック)を主なモチーフとし、コマをそのまま拡大して作品にしました。漫画と同様、印刷インクのドットを用いて表現しています。また、作品の大半が 赤・黄・青の3原色と黒・白のみで構成されています。





1960年代中頃からは、ピカソやモンドリアン、セザンヌやゴッホらの名画を基に、筆触で表現した ‘ブラッシュ・ストローク’ シリーズを開始し、1980年代まで続けています。




商業的な大衆文化を題材にしている点はアンディ・ウォーホルと似ていますが、リキテンスタインはポップアートに分類されながらも、個々の作品自体の密度が濃く完成度が一層高いように感じます。また、個人的にはコミックを題材にしながらも、ジャスパー・ジョーンズ作品と同様に孤高で哲学的な感覚をおぼえます。
1995年、都内で現代美術館の名を初めて冠した ‘東京都現代美術館(MOT)’ が開館するにあたり、コレクションの目玉として リキテンスタインの代表作 ‘ヘアリボンの少女(1965)’ を約6億円で購入し、大きな話題になりました。

MOTのオープン以来29年が経ちますが、今でも常設展示室では ‘へアリボンの少女’ が迎えてくれます。